「イスラム国」による後藤健二さん殺害の悲報を聞いた直後の集会で、重い気持ちを引きずって参加しました。開演前の歌声のハーモニーでいくらか気も晴れ、主催者代表の元弁護士会会長と現弁護士会会長の挨拶で、正義と基本的人権を守る立場で弁護士会を説得した強い決意に心打たれました。続いて愛らしい二人姉妹が津軽三味線を演奏し、心和みました。
 さてメインの小森陽一氏の講演は、語りが素早く内容理解に緊張しました。導入は、やはり後藤さんの事でした。安倍首相がエジプト訪問で「イスラム国の脅威を食い止める支援金2億ドル」の発言、さらにイスラエルでのネタニアフとの会談が、「イスラム国」を刺激した事。日本が遂に欧米と同じ敵対する国になったと、受け取られた事。安倍首相の「積極的平和主義」は、米国の戦略を補完する日本の軍事提供を拡大し、憲法9条を遵守する平和国家日本のイメージが崩れ、中東での親日感情を失うことでもありました。
 「安保保障法制」の閣議決定の話になり、「集団的自衛権」を可能にする切れ目のない安全保障制度とうたわれているそうです。今までの内閣の下でさえ「集団的自衛権」は認めてこなかったが、安倍政権の新しい解釈(新三要件)では、①我が国に対する武力攻撃のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した時。②危険を排除するのに、ほかに適当な手段がない時。③必要最小限度の実力を行使することは憲法上許容される。というものだと、実際の閣議決定文章を見ながら説明されました。これが憲法に反さないなどとは、とても言えない。
 次に日米ガイドラインの説明になった。ここでも「切れ目のない」と言う言葉が多用されている。「切れ目のない日米同盟」だそうだ。日米政府はいかなる段階においても切れ目のない処置をとる。①情報収集・偵察 ②防空及びミサイル防衛これらに限定されないあらゆる措置をとる。何でも有りのようです。グローバルな平和安全の日米協力でも、①平和維持活動 ②海洋安全保障 ③能力構築。これ以外も何でもありだそうです。
 小森さんにこれらの文章を見せられて、空恐ろしくなってしまいました。国会で首相や防衛大臣が説明するのは、まったくの空言で、本当はこれほど恐ろしい日米軍事協力であると知らされました。
 これらを多くの国民に伝えていきましょうということでした。【福谷 隆雄】

(「国民救援会川口支部だより」2月号より).

Author: MichiyaHIRAKAWA

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