■東京に近い川口市だからこそ利便性が高く、 人口が増え、外国人も多い
川口市は埼玉県南部の市で人口60万8023人、 そのうち外国人46208人(2024年8月1日時点)、 川口駅から荒川を挟んで隣が東京の赤羽駅という立地にあり東京への通勤通学の利便性の高さから人口が増えています。 外国人人口の約半数は中国人で、 ベトナム、 フィリピンと続いています。 一方、 東京に近いということは仕事をする上でも便利であり、 また一定の広さの土地が確保できることから、 市内住宅地のすぐそばに資材置き場がつくられてきたことで、 近隣の市民から騒音や交通安全への不満や不安の声も出ています。 そこでは外国人が働いているケースもあり、 日本人と外国人との軋轢のようにする人たちもいますが、 そもそも東京に近い川口市の住宅のそばに資材置き場がつくられるというのは、 日本のルールなき資本主義が作り出している乱開発が原因としてあり、 住民の安全を守り、 苦難を取り除くにはそのルール作りが求められます。
■「国の責任で仮放免者の生活維持を」 市長が法務大臣に2度要望
外国人人口には含まれていませんが、 仮放免とされているみなさんが約700人ほど川口市に居住している状態とされています。 仮放免者について川口市は「 就労が許可されておらず、また各種行政サービスの対象外となっているため、 例えば健康保険にも加入できません」「 仮放免制度は、 国の入管制度に基づいており、 仮放免者は国の責任において管理されるべきであるにもかかわらず、 国からは、 これら仮放免者に係る詳細な情報の提供や、 対応する市に対する補助金の交付、 権限の付与などがなされていないため、 市独自の判断で行政サービスの提供を決定することは困難」 としていて、 これまで奥ノ木信夫市長は2度にわたって「 仮放免者の生活維持等に関する要望書」 を法務大臣に要望者を出しています。
その内容は仮放免者が国内にいる間は、 就労や健康保険加入など最低限の生活が維持できるよう求めるものです。 国の入管制度に起因することについてきちんと国の役割を果たすよう求める市長の姿勢は、 人権の観点からも政治の在り方からも当然のものと考えます。
■日本共産党埼玉県議団、 蕨市議団、 川口市議団として国に要望書提出
しかし、 根本的には、 ルールなき資本主義による乱開発や国の入管制度による仮放免制度そのものが正すべきことであっても、 川口市に住む住民にとっては、 その結果だけが目の前に示されるような状況です。 川口市議会では2023年4月の川口市議会議員選挙のあとに開かれた6月市議会定例会において「 一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」が自民党、 公明党などの賛成で成立、 日本共産党川口市議団は、 犯罪の取り締まりは外国人に限らずおこなうべきもので、 一部外国人によると限定して、 意見書として国や県に提出することには様々な危惧を覚えることから反対するとともに、 市議選の時もインターネット上で川口市に関する外国人排斥の投稿が飛び交っていたことを踏まえて、 日本共産党川口市議団として用意してあった難民申請の改善と仮放免者への人権擁護の観点から作成した意見書案を提出、 こちらは否決されました。
その後も日本共産党国会議員とともに市内で生活するクルド人のみなさんの声を聴き、 国に対して教育、 医療、 就労など仮放免とされているみなさんの人権が守られるよう国に求めることを議会で主張してきました。 また、 2024年6月市議会の一般質問では「 外国人居住者の人権を守るために」 として松本幸恵市議が、 ヘイトスピーチ解消法の理念を市民や川口市を訪れる人たちが共有できるよう川口市としても力を尽くすよう求めました。8月7日(水)には日本共産党埼玉県議団、 蕨市議団、 川口市議団として「 外国籍居住者の命と人権を守るため国の法整備、 制度構築を求める要望書」を提出しました。
■8月21日に市長と日本共産党国会議員、 川口市議団で懇談して意見交換/就労、 健康保険加入、 教育など国が責任を果たすべき
8月21日(水)には川口市役所において、 奥ノ木信夫市長と日本共産党の仁比聡平参議院議員、 本村伸子衆議院議員、 塩川鉄也衆議院議員、 梅村さえ子元衆議院議員、そして日本共産党川口市議団も参加して、 これまで市長が法務大臣に要望してきた内容などを踏まえ懇談し、 意見交換をしました。 市長は「 学校教育や出産など地方自治体としては分け隔てなく対応するが、 本来は国がきちんと責任を果たすべき」 という点について強く強調しました。 また、国の対応が不十分な中でも「地方自治体として、 実際に目の前に困っている人がいるのを対応しないわけにはいかない」 と述べました。
■日本国憲法を持つ国として人権の保障を
国は、子どもの権利条約も持ち出して、 日本で生まれた子については仮放免の制度とは違う対応をとるとしていますが、 その対応も不十分です。そして、 そもそも、 日本で生まれた子かどうかに限らず、 どの子の人権も守るという立場で対応すべきですし、子どもに限らず人権を保障する姿勢が必要です。
日本国憲法を持つ国として、 だれもが人権を保障される政治、 そのことを実感できる政治をおこなうこと、 またヘイトスピーチ解消法を持つ国として積極的に差別解消、 人権意識の向上に力を入れることが国民全体の意識を変えるし、川口市としてもその立場が大切だと考えます。